2013年11月9日土曜日

【アメリカ文学】リップ・ヴァン・ウィンクル【浦島太郎類話】

19世紀のアメリカの小説家ワシントン・アーヴィングの短編小説。
オランダ移民の間に伝わる伝説を元に書かれたものだそうだ。


独立前のアメリカのニューヨーク州に、リップ・ヴァン・ウィンクルという木こりがいた。
ある日、彼が猟犬を連れて山へ狩りへ行った際に不思議な男たちに出会った。

男たちは小刀を腰に差していて、やけに時代がかった古臭い格好をしていた。
リップはその変な人たちと陽気に酒を酌み交わしながら、九柱戯という9本の柱にボールをぶつけて倒すボーリングの原型のような遊びに興じた。
楽しそうだなw

寝るリップ(©ネコ仮面)
 

ついつい飲み過ぎたリップはそのまま寝入ってしまうのだが、起きてみると男たちはいなくなっており、連れてきた猟犬もいない。
持ってきた猟銃は新しかったはずなのにボロボロに錆びていた。

あのおっさんたちに犬と銃を取られちまったかなーっと立ち上がるリップだが、何か体に力が入らない。
酒が残っているからだろうとあまり気にしなかったけれど、山を下りて町に戻るとどうも様子が変だった。

知らない建物が増えているし、なにより知ってる顔がいない。
なんとリップが一眠りしている間に20年の歳月が過ぎていたのだ。

友人たちも妻も死に絶えていて、あんま関係ないけどアメリカも独立しちゃってました。
途方に暮れるリップだが、幸いなことに成長し既婚子持ちになった娘に再会し、居候して幸せに暮らしたそうな。
いい人生じゃねえか。

アーヴィントンにあるリップ・ヴァン・ウィンクルの像(Wikipediaより引用)

ちなみに彼が山中で遭遇した不思議な男たちは、1500年代にアメリカ大陸を探検した冒険家のヘンリー・ハドソンと彼の部下たちの亡霊だと言われている。
ハドソン湾やハドソン川、ゲーム会社のハドソンは彼の名前にちなんでいる。

アメリカでは有名なキャラクターで時代遅れの人物の代名詞となっている。
森鴎外によって邦訳された時は『新世界の浦島』というタイトルがつけられ、
片岡政行によってアメリカに浦島太郎が紹介された時には『Urashima : A Japanese Rip van Winkle(浦島 日本のリップ・ヴァン・ウィンクル)』というタイトルがつけられた。




〈参考資料〉
フリー百科事典Wikipedia
福娘童話集 きょうの世界昔話

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